バセドウ病とは
バセドウ病について
- 甲状腺は食物から取り込んだヨードを主原料として、甲状腺ホルモンを合成し血液中に分泌します。バセドウ病は、この働きをうまくコントロールできないために、過剰に甲状腺ホルモンを作る病気で甲状腺機能亢進症を起こす代表的な病気です。
バセドウ病の原因
- 甲状腺のコントロールが効かない刺激物質(甲状腺刺激抗体、TSHレセプター抗体)が体の中にできます。この抗体が甲状腺を刺激し続けるため、甲状腺ホルモンが必要以上に作られることが、バセドウ病になると考えられています。
- 原因不明の病気ですが甲状腺の働きを抑えることができれば、健康な人と変わらない生活を送ることができます。
バセドウ病の症状
- 胸がドキドキする
- 汗をかきやすい
- やせてくる
- 指先のふるえ
- 疲れやすい
- 息切れ
- イライラする
- 甲状腺の腫れ
- 眼が出てくる
バセドウ病の検査
- 血液中の甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、甲状腺レセプター抗体(TSAb、TBII、TRAb)を測定します。
- また、超音波検査で甲状腺の腫れ具合や腫瘍の合併がないかを調べます。
バセドウ病の治療
- 内服薬(抗甲状腺薬)、アイソトープ治療、手術の3つの方法があります。
- 日本では、内服薬による治療が一般的です。
- 内服薬による治療(メルカゾール、チウラジール)
- 薬を飲み始めてから皮膚にかゆみ・発疹がでてくることがあります。関節痛が起こる場合もあります。
- 肝臓の検査で異常がみられることがあります。
- 非常にまれですが薬を飲みはじめて2週間~3ヶ月くらいに、高熱とのどの痛みが起き、血液中の中の白血球が減り、細菌に対する抵抗力がなくなることがあります。この場合、すぐに薬を止め主治医に連絡してください。
- 薬を飲み始めてから皮膚にかゆみ・発疹がでてくることがあります。関節痛が起こる場合もあります。
- アイソトープ治療
- 放射線ヨードの効果で甲状腺の細胞数を減らす方法です。
- 内服薬より治療期間が短時間で得られます。
- 内服薬で治りにくい人、薬で副作用が出た人に適しています。
- 放射線ヨードの効果で甲状腺の細胞数を減らす方法です。
- 弱点は効き方に個人差があり、甲状腺機能低下症を起こす場合があります。
- 手術
- 甲状腺の一部を残して切除する方法です。
- 効果が短期間で得られます。
- 甲状腺の大きい人、薬で治りにくい人に適しています。
- 甲状腺の一部を残して切除する方法です。
- 弱点は、手術のあとが残り、入院治療が必要です。
日常生活の注意点
- 甲状腺ホルモン過剰の間は、静かにしているときも心臓をはじめ全身の活動が更新していますので、普段より生活を制限する必要があります。制限の程度は病状によってことなります。
- 甲状腺ホルモンが正常になれば、従来通りの生活でかまいません。
- 食べ物では、昆布・根昆布はヨード分が多いのであまり食べないほうがいいですが、他の海藻類は普通に食べる分には問題ありません。
- うがいに使うイソジンガーグルはヨード分を多量に含みますので使いすぎに注意する必要があります。
- 抗甲状腺薬と飲み合わせてはいけない薬はありません。
- 定期的な通院に心掛けてください。